特許申請費用の削減の方法欧州特許弁護士編『知らないと、大損します!』

2021.10.22

この記事のまとめ

欧州特許条約(EPC)は、ヨーロッパ特許を申請から審査まで一か所で行ってくれる、特許の多国間の取り決めです。
ヨーロッパって、国数多いですよね。
欧州特許条約(EPC)のメリットとしては、特許を取得する指定国数が多くなると、各国別に出願するよりも、出願費用が安くなることが挙げられます。欧州特許条約(EPC)は、でも、手続きがラクチンだからといっても、費用が高ければ上手く行きません。
しっかりと、コストダウンも考えていきましょう。
この動画で説明したコストダウン方法を実行したら、10か国で有効にする場合は、最大で680,000円以上のコストダウンが可能となります(2021年9月現在)。

よっしー社長

欧州連合EUよりも、特許の多国間の取り決め(EPC)に加盟している国は多いですよね?この国ごとの弁護士費用って、その国の生活費に変動するって知ってました?

中学生リサ

ロンドンとかパリとかは、家賃とか食べ物の値段が高そうだね。

新入社員ショウ

ビッグマック指数(BMI)ってありますよね。各国のマクドナルドで販売されているビッグマック1個当たりの価格を比較して、ビッグマック指数を出しています。EPCに加盟しているスイスだと774円で+24.68ですが、トルコだと257円でー58.65です
https://www.economist.com/big-mac-index)。

よっしー社長

同じ特許の多国間の取り決め(EPC)に加盟している国でも、ビックマックが3倍近く値段が違うんですね。

中学生リサ

トルコの欧州特許弁護士に頼んだら、スイスの欧州特許弁護士の1/3なのかな?

新入社員ショウ

欧州特許弁護士が多いのは、スイスの隣国のドイツですね。ドイツでは、552円でー11.10です。2倍は違いますね。

費用が高いという問題点を、地政学上に考えてみる。

特許出願のコストには、大きく分けて、2つあります。
1つ目は、各国の特許庁に支払う庁費用と言われている費用です。
2つ目は、代理人の弁理士に支払うお金です。
欧州諸国は、1977年10月、ヨーロッパ特許付与に関する協定である「欧州特許条約( EPC = European Patent Convention )」を発効しています。
その条約にともなって「欧州特許庁( EPO = European Patent Office )」も新設され、欧州特許弁護士という職業もできました。
この欧州特許弁護士に支払う費用が、かなりの負担になるのです。
欧州特許弁護士に支払う費用ですが、その弁護士の作業時間と、欧州特許庁( EPO )からの修正指令や拒絶対応の数に応じて変動します。
つまり、その欧州特許弁護士の熟練度と時給に応じて、全体の費用は変わってくるのです。
残念ながら、熟練度が高い弁護士は、一般的に、時給が高いものです。

あなたは、38ヵ国の欧州特許弁護士を、ご自分で選ぶことができます。

欧州特許のために、イギリス、フランス、ドイツのような欧州先進国の特許弁護士を使わない方が良いのでは?と考えています。
欧州特許法は、新規事項の判断が非常に厳格で、一般的に、欧州特許弁護士は、申請書類の中身にはタッチしません。
つまり、欧州特許出願の場合は、どんなにスゴイ弁護士を雇っても、発明そのものを変更することができる訳ではないのです。
一方で、日本やアメリカと違い、欧州特許弁護士は、数々の経済危機によって、時給を下げることを回避した、数少ない法律実務家といえます。
日本は、残念ながら、失われた30年のために、日本の弁理士の年間の所得が下がっています。
いまから30年前は、かなり儲かる業界でしたが、過去15年で日本国内の特許件数は半分くらいに縮小したパイになっています。
さらに、追い討ちは規制緩和で、大幅な合格率の緩和を行い、いまや過去15年前の2倍の弁理士で、半分になった市場を競い合っています。

アメリカは、リーマンショックの影響で、大手法律事務所が極めて甚大な影響を受けました。
知的財産の弁護士は、それほど大きな影響を受けなかったんですが、不動産や証券などの弁護士は、収入が急激にダウンしました。
アメリカの法律事務所は、リーマンショックの前、フルサービスの法律サービスを提供するように、数十年かけてビジネス構造が変化していったんですね。
そのため、不動産や証券などの弁護士の売り上げダウンを補填するために、知的財産の弁護士のチャージを上げたのです。
顧客側としては、それでは堪らんということで、知的財産の弁護士と直接取引を行うことを要望しました。
これにより、リーマンショック後、多くの知的財産の弁護士が、大手の法律事務所から離れて、独立することになったのです。
大手から独立することで、熟練度が高い弁護士でも、時給がリーズナブルな米国特許弁護士は、リーマンショックの影響でいまだに多いのです。
一方で、欧州特許弁護士は、時給がずっと高止まりしているんですよね。

最も有効なアプローチは、熟練度が高い弁護士で、かつ、時給も安い弁護士を、ヨーロッパで探すことです。
そんな人は、時給がずっと高止まりしているヨーロッパでは、いないと思っていませんか?
しかし、いまのヨーロッパの状況を考えれば、方法はいくらでもあるのです。

一つ考えるべき事は、ここ15年くらいの欧州特許条約(EPC)の加盟国の急上昇です。
特に、2004年頃には、1989年のベルリンの壁崩壊により、旧ソビエト連邦の国の間で、政治や経済改革が大胆に進みました。
東ヨーロッパ諸国および地中海諸国の12の加盟候補国のうち、10カ国が一挙に加盟するという歴史的偉業が達成されました。
これに伴い、欧州特許条約(EPC)の適用国も、一挙に進んだのです。
現在では、欧州特許条約(EPC)の適用国は、なんと38ヵ国(2021年9月現在)となっています。
そして、あなたは、この38ヵ国の欧州特許弁護士を、ご自分で自由に選ぶことができます。

ここで、一般的なドイツにいる欧州特許弁護士の費用が、1件の欧州特許出願で、いくらくらいになるか例示してみます。
もちろん、僕がいままで付き合ってきた中での数字なので、大体20か所くらいのドイツの法律事務所くらいしか、情報はありませんけれども。
欧州特許申請時の作業の弁護士費用が400,000円で、修正指令や拒絶対応の際の弁護士費用が580,000円くらいで、合計980,000円です。
これが、まあ大体のドイツの平均なんですね。
イギリスやフランスでは、特にロンドンやパリに事務所がある欧州特許弁護士であれば、この1.5倍くらいするかもしれません。
このように、3つの大国の都会の欧州特許弁護士は、ヨーロッパでもっとも時給が高いんですね。
でも、ソビエト連邦が崩壊した後に、西側諸国に加盟してきた国の弁護士のレベルってどうなんでしょうか?
確かにモノつくりのレベルは、西側の方が段違いに良い製品を作り出していますよね。
弁護士はどうでしょうか? 
モノつくりのレベルと同様に低いんでしょうか。

それには、イギリスが、なぜ欧州連合(EU)から脱退する大決断をしたかを考えれば、答えが出てきます。
イギリスの国民投票のときにポイントになっていたのは、移民の問題ですよね。
移民の中でもEUの中で移動して、東ヨーロッパから、イギリスに来る移民の問題が大きかったんです。
イギリスはEUの中では比較的景気がよくて仕事がたくさんあるということで、東ヨーロッパとか経済の調子がよくないところから多くの人が入ってきていたんですね。
しかも、東ヨーロッパから人たちの方が、仕事ができちゃったんですね。
これは、工場のようなブルカラーの人達のみならず、いわゆるホワイトカラーのようなデスクワークの人も、総じて、幅広く、イギリスの雇用を、現地の人から奪ってしまったんですね。
たとえば、日本の製造工場やコンビニとかでは、最近ベトナムや中国の人が多く働いていますよね。
イギリスの場合は、そういったパートタイム労働のみならず、ある程度のフルタイムの専門職も、東ヨーロッパから人たちに置き換わってしまったんです。
給料が安いという理由だけではありません、だって、彼らもイギリスに住んでいますから、生活費はイギリス人と同じようにかかりますよね。
東ヨーロッパから来た、高学歴の専門家達は、腰を落ち着けて、イギリスでパートタイム労働のみならず、フルタイムの専門職のポストも奪っていったのです。
欧州連合(EU)から脱退しない限りは、東ヨーロッパの労働力という脅威を、イギリスは幅広い職種で、受け続けるという恐怖がそこにはあったんですね。

逆に言いますと、東ヨーロッパにいる欧州特許弁護士を、探してお願いすれば良いことになりませんか?
結局のところ、欧州特許申請の場合は、欧州特許弁護士は、日本から来た電子データをそのまま提出するだけです。
欧州特許法は、新規事項の判断が厳しいので、何も変更したり、追加したりできません。
ポーランドなどのドイツに隣接する弁護士たちは、実は、ドイツの欧州特許弁護士達と、能力的には変わりません。
しかし、かれらの弁護士費用は、ドイツにいる欧州特許弁護士の半分以下なのです。
ミュンヘンなどの家賃の高い大都会にいる、ドイツの欧州特許弁護士に比べてしまうと、ワルシャワのような都会の欧州特許弁護士の生活費でも1/3以下でしょう。
このようなヨーロッパの中でも、リーズナブルな国のトップレベルの欧州特許弁護士を探せられれば、ロンドン、パリ、ミュンヘンなどの、日本人が好んでよく使う割高な欧州特許弁護士よりも格段に安くなると思います。

欧州特許弁護士でなくともできる手続きは、弁護士に頼まない。

それとなんですが、欧州特許弁護士でなくともできる手続きが、欧州特許条約の中には、いくつかあります。
全部を丸投げしないで、欧州特許弁護士でなくともできる手続きは、他のサービス会社に依頼しましょう。
たとえば、特許が各国で有効になるために、バーリデ―ションという手続きが、欧州特許手続きの後に必要になります。
これを欧州特許弁護士がやると、1か国、安くとも40,000円前後かかるんですが、弁護士でないサービス会社へ頼むと、1/3以下になります。
バーリデ―ションという手続きは、欧州特許弁護士がやらなくとも良いんです。
具体的には、もし、10か国で有効にする場合は、欧州特許弁護士では、400,000円前後はかかりますが、弁護士でないサービス会社へ頼むと、130,000円で済みます。
ヨーロッパで、最も有名なサービス会社は、CPA(https://www.cpaglobal.com/)です。
ここは、3年以降の権利の維持年金も、安く対応してくれますので、特許査定が出ましたら、ここに頼んでしまうのが良いですね。
ヨーロッパに限らず、いろいろな国で対応してくれます。
もし、日本の会社が良いのであれば、日本技術貿易(https://www.ngb.co.jp/)もやっています。
欧州特許条約(EPC)は、ヨーロッパ特許を申請から審査まで一か所で行ってくれる、特許の多国間の取り決めです。
この制度を使うと、1か国ずつ申請して審査してもらうよりか、断然ラクチンですよね。

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